書籍「MASTER OF Live 9」レビュー!Ableton Live9唯一の日本語解説本は有益?

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Ableton Live9の日本語解説本「MASTER OF Live 9」のレビューです。内容を確認したいけど、書店にはほとんど置いておらず・・・価格もそれなりなので、気軽に注文できず・・・そんな方のご参考に。

不満点を中心にレビュー

「MASTER OF Live 9」はマニュアル以外で唯一、日本語で解説された本なので、書籍としての価値は十分に高いと思います。特にAbleton Live初心者には。

公式マニュアルは白黒の画面イメージが多く、説明は文字だけというような構成のため、非常に読みにくさを感じます。これに対し「MASTER OF Live 9」は、オールカラーで画面イメージも複数、原理的な解説にはイラスト付きなど、マニュアルに比べると非常に読みやすい内容になっています。

良い点はいろいろあり、私自身は所有していることに満足していますが、この書籍を購入検討されている方には不満に感じる点をお伝えしたほうが参考になると思いますので、不満点を中心にレビューします。

各Chapterの内容を簡単に書いておきますので、ご参考まで。

MASTER OF Live 9の内容
目次 内容
Chapter1 直感で作曲ができるクリエイティブなDAW、Live9 Live9の概要、Live8からの変更点、インストールからオーソライズまでの手順、環境設定画面の各項目解説
Chapter2 Live9の画像構成とその機能 アレンジメントビュー、セッションビューの画面構成やテンポコントロール、トランスポート、各トラックなどの機能を解説
Chapter3 Live9の内蔵音源紹介 各インストゥルメントの概要とパラメータの解説。ただしSuiteのみに含まれているインストゥルメントについては概要のみでパラメータ解説なし
Chapter4 MIDI Effect 各MIDIエフェクトの概要とパラメータの解説。
Chapter5 Audio Effect 各オーディオエフェクトの概要とパラメータの解説。Suiteのみに含まれているエフェクトも、全て解説されている
Chapter6 オーディオレコーディング&編集テクニック クリップビューやコンテクストメニューの解説とワープマーカーの使い方のみ。レコーディングや編集に関する具体的なテクニックが書かれているわけではない
Chapter7 MIDIレコーディング&編集テクニック MIDIノートの解説やMIDIデータの編集について。Chapter6とは違い、Tipsがしっかり書かれている
Chapter8 セッションビューとアレンジメントビュー セッションビューとアレンジメントビューの具体的な使い方やLaunchボックスの解説
Chapter9 Live9新機能「Audio to MIDI」を徹底検証 リズム、メロディー、ハーモニーの各Audio to MIDI変換について精度検証とボーカル抽出について
Chapter10 独自のデバイスも構築可能な「Max for Live」を活用する M4Lの概要と基本的な編集方法の解説。活用するというほど具体的な内容が書かれているわけではない
Chapter11 ライヴパフォーマンス用にPushを使用する 前半はマッシュアップに挑戦という内容でボーカル抽出やノイズ処理などの仕込みについて。Pushには一切触れていない。後半がPushの解説。ステップシーケンスやコード入力の解説など
Appendix Live9ショートカットキー一覧 マニュアルよりは見やすいショートカット一覧

MASTER OF Live9の目次1

MASTER OF Live9の目次2

索引がない

書籍の構成から、必要性は少ないのかもしれませんが、逆引きしたいことは多々あるので、索引が欲しいと感じました。これは私が普段から他の書籍なども索引から引くことが多いから感じているのかもしれません。

マニュアルより解説内容が薄い

全てではありませんが、ほとんどの解説が公式マニュアルより内容薄いです。分かりにくいわけではないので、簡潔で理解し易いとも言えます。

ただし、公式のマニュアルには具体的なパラメータの設定例やちょっとしたTipsなども記載されているので、例えば「初めて利用するエフェクトについて具体的に知りたい!」などと言う時には、公式マニュアルを引いた方が良いと思います。

統一感に欠ける

この書籍をどのようなユーザに向けて書いたのか???という印象です。例えば、MIDIデバイスの認識を確認する方法として、「Macなら」などの前触れなく、いきなり「MIDIスタジオ」ウインドウで確認する手順が記載されています。そしてWindowsの確認方法は全く記載されていません。

しかし、Chapter11でボーカル抽出するためのソフトとしては、Windows専用ソフトの「歌声りっぷ」が解説されています。逆にMacならどのようなソフトを利用するのかは一切書かれていません。

Chapter3でSuiteだけに含まれているインストゥルメントの解説が省略されていたり、全体的に初歩的な機能解説が多いので、Live初心者に向けた書籍だとは思うのですが、Chapter11ではiZotopeのOzone5 Advancedが紹介されていたり。

Ozone5 Advancedは10万円ほどするマスタリングソフト。Ozone5は素晴らしいソフトだと思いますが、Live9の書籍なので、AudioEffectRackの「Mixing & Mastering」から何か選択して調整するような解説をして欲しかったです。

参考までにLive9のマスタリング解説

プラグインソフトの紹介は不要

iZotope Ozone5 Advancedについては、小さい画面イメージ1枚程度の紹介ですが、ローランドのR-MIXについては1ページ、アンタレスのAuto-Tuneで3ページ、iZotopeのRX2で2ページ。プラグインの紹介が無駄とは言いませんが、もっとLive9の各エフェクトについて踏み込んだ内容や活用例を増やして欲しかったです。

Suiteに含まれるM4Lのデバイスについては一切紹介が無いので、この辺も外部のプラグインを紹介するのであれば、M4Lのデバイスを紹介してもよいのでは?と思います。

持っていても損はない本

結局のところ、有益なの?ということですが、公式マニュアルやLive9のヘルプ機能は日本語対応されており、内容も充実しているので、この書籍がとても有益な本とは言えないと思います。

私がLive9を操作しながら、何か知りたいことがあった場合は、ほぼ公式マニュアルのPDFを見ています。キーワード検索ができますし、この書籍にはないパラメータの具体的な設定例なども書かれていたりするので。

それでもこの書籍を見る回数はかなり多いです。一番は寝る前の布団の中で。パラパラと見ながら「このエフェクト面白そうだな、試してみよう」とか「このパラメータ変化させるとどんな感じなのかな?」など、ふと試したくなることが沸いてきます。

Ableton Liveはダウンロード版を購入しているので、わざわざPDFのマニュアルを印刷して持ち歩こうとは思いませんが、書籍なら気軽に持ち歩いて、電車の中で見たり、外食時などの待ち時間に見たり。など。

Ableton Liveをバリバリ使いこなしているような人には不要だと思いますが、Live9で楽しんでいるユーザ、特に英語は苦手だから英語書籍は無理!なんて方は持っていて損はないと思います。この書籍を購入検討されていた方の参考になれば幸いです。

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